歯科・美容・眼科・皮膚
2012年05月14日
網膜中心動脈閉塞
弁護士 藤田大輔
(1)網膜中心動脈閉塞とは何か。 網膜中心動脈閉塞とは、網膜中心動脈が閉塞する疾病である。 網膜動脈に動脈硬化が生じて閉塞する場合、網膜動脈に炎症等ができて起きる場合、身体の他の部分 でできた血栓が網膜中心動脈に詰まって閉塞する場合などがある。 疼痛を伴わずに突然片眼が失明または視野欠損が起こる。 ①心臓弁膜症からの栓子により閉塞する。 ②高安病などの閉塞性動脈炎 ③血管圧迫 ④網膜動脈血栓症 ⑤緑内障による長時間の眼圧上昇に起因する眼内血流途絶 ①眼底検査 ②眼底写真撮影 →赤い中心窩を伴う蒼白で混濁した眼底が見られる。 ただし、東洋人の場合、中心が赤くならずに黒っぽく見える。 閉塞が生じてから24時間以内であれば、早急に眼圧降下薬(0.5%チモロールやアセタゾラミ500mg)の投与や眼の指圧、前房穿刺を行うべきである。 以 上
(2)網膜中心動脈閉塞の症状
(3)網膜中心動脈閉塞の原因
(4)診断方法
(5)治療方法
閉塞から72時間を超えると、灌流が戻っても視力は回復しない。
2012年04月24日
フェイスリフト
弁護士 池田実佐子
フェイスリフト
下垂した皮膚を引き上げることで輪郭やたるみ、大じわを矯正する治療
1 手技
①デザイン
切開する線をデザイン
②皮膚剥離範囲
側頭部は生え際より2横指
耳の前の部分は耳珠より3横指
首は耳垂より首に向かって3横指
耳の後ろは耳介側頭溝より3横指
これらをむすんだところが剥離の範囲
③局所麻酔
④皮膚剥離
切開線に沿って切開後、最初の1㎝はメスで剥離
フェイスリフト尖鋏でできるだけ浅い位置で剥離
側頭部のみ神経損傷を避けるため指で剥離がよい
剥離部分にガーゼタンポンを挿入し、完全に剥離しているか確認するとともに、一枚ずつ取り除き確実に止血。
⑤脂肪吸引等
カニューラで広頚筋上の蓄積した脂肪を除去等
⑥縫合
・縫合は、広頚筋の一番下から行い、オトガイを上に引き上げて縫縮
初めは広頚筋を外側に向け、耳垂を過ぎたあたりで鼻唇溝(法令線のこと)に対して水平に縫縮して、頬骨のところでは上に引き上げるように縫縮
・縫縮によって凹凸ができていたら皮膚を剥離し平らにする
耳垂前、耳珠前、側頭部において皮膚の裏面とSMAS(顔面表在筋膜)とを縫合固定
この固定で皮膚との死腔少なくする
・次に耳を覆った部分の皮膚を緊張を与えないで下のように切除していく
まず耳垂基部まで皮膚を切り耳垂を露出させる
耳の後ろを覆う皮膚を切除し、頭側の三角弁に合わせて皮膚を切除
耳の前の前切痕まで覆った皮膚を切開線に合わせ切除
最後にW状に切開した最後の直線から前切痕までのS状の皮膚を切除
縫合は埋没縫合を併用
⑦術後管理
剥離部に組織糊を注入し、側頭部には腫脹を減少させるためヒアロニダーゼを注入
固定は頚の脂肪吸引した部位に薄めのレストンスポンジを2日間装着
手術直後に20分間アイスパックによる冷却
術中十分な止血をし、組織糊で死腔をなくせば包帯などによる圧迫は不要
2 合併症
出血、血腫
細菌感染
皮膚知覚障害
縫合部の皮膚の壊死
肥厚性瘢痕
耳珠、耳垂変形
有毛部切開後の脱毛
腫脹、浮腫、出血斑
左右差
顔の凹凸
表情の変化
疼痛
まれな合併症として、
顔面神経麻痺、耳下腺管損傷も
3 本件の後遺障害
肥厚性瘢痕、左右差
←これらは手技上の問題
*裁判例
左右差につき
●鼻孔の左右差等が生じた事案(名古屋地判平成19・11・28)
人の顔面は,骨格等の生体組織を含め,元来幾何学的に完全に左右対称ではなく,程度の差こそあれ非対称的な部分の存するのが通常である上,美容整形手術は,既存の生体組織を基礎として整容を目的として行われるものであるから,仮に本件各美容整形手術により幾何学的な意味で左右に非対称な部分が発生し又はなお残存したとしても,これをもって直ちに診療契約上の債務不履行があると断定することはできないと解される。
そして・・・客観的にみて,社会通念上,上記撮影当時の原告に,原告が気に病むほど人の容貌として不自然で,診療契約上の債務不履行を構成すると評価すべき程の,こめかみの左右不均衡,重瞼ライン及び開瞼の左右不均衡又は下顎角の左右不均衡があると認めることはできない。
4 参考文献
酒井成身「美容外科基本手術―適応と術式―」(南江堂、2008)
日本美容皮膚科学会「美容皮膚科学」(南山堂、2009)
以上
2012年04月19日
鼻翼縮小術
小鼻縮小術
1 適応
内眥(cf目頭)間距離より鼻翼幅が広く、鼻翼がフレアー形
鼻翼部が厚いと効果はでにくい
2 合併症のリスク
・感染
皮脂腺の発達しているケースでは少なくない
手術痕が目立つ原因となり得る
→こまめに消毒
・左右差
切除が対称にできても縫合でアンバランスになることも
→抜糸時左右差あれば鼻孔リテイナー使用
・手術痕
鼻翼基部は比較的目立ちやすい
→しっかり減張された埋没縫合
・鼻尖幅の協調
鼻翼の幅狭くなることで鼻尖の幅を大きく感じるように
→術前に十分確認、鼻尖形成術と併用検討
3 手技
左右のバランスの取り方や縫合部の減張など、難易度高い
① デザイン
鼻翼を内側に押すと鼻孔底と鼻翼の間に皺襞(しわ・ひだ)ができる
これを基準にマーキング
多くは鼻孔縁から鼻腔内でデザイン
外側まで大きくデザインする場合、鼻橋基部までデザインを延長させ鼻腔底の極小化も行い、鼻翼外側の切除部分の減張を図る医師も。切除幅は4~7ミリ程度可能
②切除
局所麻酔で膨らんだ分も含め、左右の対称性を念頭に
十分止血した後空隙の対称性も確認
③縫合
左右別々の埋没縫合は左右差でやすい
4-0ナイロン糸で、左右の鼻翼皮下をサークル状に結ぶ
位置決定したら皮下縫合と皮膚縫合
④術後管理
縫合部は皮脂腺多い→消毒はこまめに
外固定はあまり重要でない
以上
*参考文献
酒井成身「美容外科基本手術―適応と術式―」南江堂、2008
歯髄炎に対する根管処置
1 歯髄炎
歯髄に炎症が波及していること
硬組織の中にあり狭小な根尖孔のみから栄養補給されてる組織だから炎症反応である腫脹は起こらない
2 歯髄炎の治療
可逆性歯髄炎⇒原因の除去と血流改善処置
不可逆性歯髄炎⇒感染してなければ抜髄処置
感染してれば感染根管処置
3 感染根管治療
根管内の起炎物質や感染源を除去することで、根尖部歯周組織への病変の波及を防止、またすでに波及している病変の治癒が目的
根管拡大・形成、清掃、消毒、根管充填操作が含まれる
新たな感染を起こさないよう注意
処置後は緊密な根管充填処置、引き続き機能と形態の回復を行う補綴処置必要
「根管充填」
抜髄治療OR感染根管治療の最終処置として、歯髄腔の空隙を根管充填剤で根尖孔まで補填し閉じること
根尖孔から根管内への組織液の流入や根尖孔外への根管内刺激物の流出を防ぎ、根尖部歯周組織を治癒させ、歯の長期保存目的
根管充填法には、充填剤の違いにより、固形体根管充填法と糊剤根管充填法
この根管充填のための糊剤として、本件レセプト記載の水酸化カルシウムも有り。
*根の治療の評価難しい
原理は単純だが失敗の危険と背中合わせの難しい治療
歯によって歯髄の入っている空洞の形は違う
木の根のように複雑なものや細く湾曲しているものなども。
細い針の先が根の中で折れたり、歯根の先を突き破る可能性あり
骨の中の治療だから結果はX線で判断するしかない
「水酸化カルシウム」
歯科用薬として滅菌精製水と連合して使用
ある程度の殺菌力を有し、根尖部における骨様セメント質の添加を促進するため、根管消毒薬OR根管充填剤として使用される
約1、2週間は消毒の作用続き、その後吸収されるか害のない存在に。
突き出しただけなら痛みは続かない。
痛み引かないなら根に溜まっていると思われる細菌除去必要
以上
2012年04月13日
サイナスリフト
弁護士 井内健雄
【サイナスリフト】
上顎の側面の歯肉を切開し、歯槽骨をシュナイダー膜にあたるまで四角く切り取り、露出したシュナイダー膜を丁寧に歯槽骨下端から剥離させていく。そして、その持ち上げられたシュナイダー膜と歯槽骨の間に骨充填する。通常は、この状態で5か月程待って、充填した骨が安定したころ、フィクスチャーを埋入し、更に5か月程待つ。最後に、アバットメント、人工歯を装着して完了。
サイナスリフトにも1回法といって、骨充填と同時にフィクスチャーを埋入させるやり方も存在する。ただ、サイナスリフト1回法は、歯槽骨が薄い場合には初期固定が得られないとの問題もある。
【人工骨形成物質】
東京地裁H5.12.21判タ847
の判例で、インプラントの際の感染症の予防義務について主張されているが、判断されていない。
「感染症防止上の過失
前記のごとく、骨膜下インプラントにおいては手術範囲が広く粘膜治癒が難しいのであるから、その施術をした場合には、抗生物質を十分投与するなど感染を防止するために十分な措置を講じなくてはならない。」(原告の主張)

